事業承継(非上場株式評価と特例)

事業承継(非上場株式評価と特例)

えふぴー爺さんです。もっとも勉強不足を感じている事業承継に関する実技例題です。学科試験は理解よりも暗記することを優先しましたが、時が経てば暗記していた内容は理解を伴っていないので忘れています。自信がありませんが、”きんざい”発行のFP2級精選問題解説集のF-11:「事業承継対策(1)」の例題を行います。

問1は非上場株式の1株当たりの相続税評価額を求めるものです。計算式が掲載されているにも関わらず、その計算式中の空欄に当てはめる数字が思い出せません。ダメでした。

問2は「非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度の特例」について、説明文の穴埋め問題です。この特例の概要も、全く思い出せずに全滅でした。

問3は遺留分に関する正誤問題です。何とか一つは正解しました。

という具合に、全く正解できません。再勉強が急務ですので、以下は勉強しながら要点をまとめました。

非上場株式の評価についての考え方は、原則的評価方式と特例的評価方式があります。相続や贈与により株式を取得する株主が、その会社の経営支配力を持っている同族株主であれば原則的評価方法、それ以外の株主であれば特例的な評価方式である配当還元方式、で評価します。調べてみると上場企業は国内企業の0.09%であり、ほとんどは非上場企業です。非上場企業の事業承継というニーズは多いのかもしれません。

非上場株式の評価方法で原則的評価方法(同族株主が株式を取得する場合)は、会社規模により3つの評価方式(類似業種比準方式、併用方式、純資産額方式)にわかれます。(特例的な評価方式である配当還元方式に会社規模による違いはありません。)

  • 大会社(斟酌率0.7):類似業種比準方式
  • 中会社(斟酌率0.6):類似業種比準方式と純資産額方式を併用する併用方式
  • 小会社(斟酌率0.5):純資産額方式

会社の規模とは従業員数、総資産価額、売上高、等で区分します。

そして、実技問題で計算が求められた類似業種比準方式による計算方法です。類似業種比準方式は、事業内容が類似している上場企業の株価と比較して、非上場会社の株価について評価額を求める方法です。比較項目は年配当金額年利益金額簿価純資産価格の3要素が比準要素となります。

類似業種比準価額は、

=類似業種の株価 × 3要素の割合を平均した値 × 斟酌率 × 1株当たりの資本金額 ÷ 50円

  • 3要素の割合の平均値=(b/B+c/C+d/D)÷3
  • 斟酌率は会社規模で異なります
  • 1株当たりの資本金額は 評価会社の資本金÷発行済株式総数
  • ÷50円、評価会社の株式数は一律で資本金÷50円 で計算する為、本来の値へ調整する
  • アルファベット大文字は類似上場企業、小文字は評価会社の3要素

今回は類似業種比準方式だけを確認しました。一度に2つは覚えられないからです。

次に「非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度の特例」及び「非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度の特例」について確認します。そもそも、これらの特例は非上場企業の株式が換金性のない自社株式なので、多額の相続税や贈与税が課せられるとオーナーとしては死活問題です。従って、納税の猶予期間を設けたり、贈与者死亡により贈与税が免除されて相続税による取得とみなされたり、等の特例で優遇しています。

「非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度の特例」は、

  • 受贈者(後継者)は会社代表権を有する事、20歳以上、役員等就任後3年以上経過
  • 納付すべき贈与税額の100%が、贈与者の死亡の日まで納税猶予となる
  • 猶予対象となる株式は、受贈者が贈与前から有していた全ての発行済議決権株式
  • 贈与者が死亡した場合、猶予税額が免除され、相続による取得とみなして相続税の課税対象の適用を受けることができる

「非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度の特例」は、後継者が相続又は遺贈により非上場株式等を取得した場合、これに係る課税価格の全額(100%)に対する相続税について、後継者が死亡の日まで納税が猶予される。また、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」との併用ができる。

まだまだ、事業承継については試験までに覚えなければならないことがありますが、今回はここまでとします。

【重要事項】本文はブログ作成当時のファイナンシャルプランニング技能士国家試験に向けた学習記録を綴った内容です。従って、本文中に記載した法令等に基づく記述は現在の内容と異なる可能性があります。法令等に関する内容は、必ず最新情報をご確認ください。宜しくお願いします。