贈与税配偶者控除2,000万円

贈与税配偶者控除2,000万円

えふぴー爺さんです。”きんざい”発行のFP2級精選問題解説集の実技問題も相続・事業承継の章に入りました。自身の年齢になると相続という言葉には特別な感じがします。でも、世間並みの財産であれば、そんなに悩むことも無いというのが、私の実感です。

F-1:「贈与税の配偶者控除・住宅取得資金の贈与」の例題から、贈与税の配偶者控除についてです。まずは、えふぴー爺さんが間違った正誤問題を2つ再確認です。

「相続時精算課税の適用を受けた場合、相続において財産を取得しないときは、当該受贈資産の価額は相続税の課税価格に加算されない」、は不適切です。すでに相続時精算課税の適用をうけた贈与財産です。すなわち、相続時に贈与財産と相続財産を合計した価額を課税価格として計算します。従って、相続で財産の取得有無にかかわらず、相続税の課税価格に贈与財産は加算されます。但し、直系尊属からの住宅取得資金の贈与を受けた場合は、非課税制度の適用を受けて非課税とされた金額は除きます。

「妻が相続により財産(みなし相続財産を含む)を取得しなかったとき、2年前に現金1,500万円の贈与を受けていた場合は、相続税の課税価格に加算される」、は不適切です。相続財産を取得しなかった場合は、相続税の納税義務は生じません。従って、贈与について相続税の課税価格には加算されません。相続税は相続又は遺贈により財産を取得した場合に、その取得財産に課税されるものです。

次に、贈与税の配偶者控除に関する実技問題です。例題の概要は、全て夫名義の建物と敷地を、ある割合で妻へ贈与するというものです。

  • 建物の固定資産税評価額:1,000万円 (この50%を妻へ贈与)
  • 敷地の相続税評価額  :5,000万円 (この40%を妻へ贈与)

妻への贈与財産の価額は    1,000万円×50% + 5,000万円×40% = 2,500万円

次に贈与税額の計算では、下記の2点を思い出さないと正解できません。なお、税率と控除額は速算表を見て使用します。

  • 配偶者控除額=2,000万円 <- 「一生に一度だけの贈与税配偶者控除
  • 基礎控除額=110万円  <- 忘れやすいです!

贈与税額は、(2,500万円 – 2,000万円 – 110万円) ×20% – 25万円 = 53万円

贈与税配偶者控除の注意点は居住用不動産または、その購入資金の贈与であることです。上記の例は建物と敷地なので問題ありません。それと婚姻期間が贈与日において20年以上であることです。結婚20周年目は磁器婚式(じきこんしき)といいます。磁器のように固く結ばれた夫婦だからこそ、贈与税の配偶者控除が認められるのです。さらに、翌年の3月15日までに居住して、その後も引き続き居住すること。贈与税の申告書を提出すること、などです。

【重要事項】本文はブログ作成当時のファイナンシャルプランニング技能士国家試験に向けた学習記録を綴った内容です。従って、本文中に記載した法令等に基づく記述は現在の内容と異なる可能性があります。法令等に関する内容は、必ず最新情報をご確認ください。宜しくお願いします。