居住用財産の譲渡と特例(1/2)

居住用財産の譲渡と特例(1/2)

えふぴー爺さんです。年金の次に身近な事として関心を持っている「居住用財産の譲渡に関する特例」です。早い話がマイホームを持って数十年経てば、この先この家をどうしようかと考えます。売り買いは相当な高額になるので損はしたくないです。そんなマイホーム(居住用財産:住んでいる家・土地)を売る場合、条件に合致すれば、特別な控除額があったり、税金が優遇されたりします。ここの理解度を確認するのが、FP2級精選問題解説集のE-5、E-6、E-7:「居住用財産の譲渡の特例」です。

例題に沿った確認する前に、今回の特例で重要なものを挙げておきます。

  1. (居住用財産の)3,000万円特別控除
  2. (居住用財産の)長期譲渡所得(軽減税率)の特例
  3. (特定の居住用財産の)買換えの特例
  4. (居住用財産の)譲渡損失の損益通算及び繰越控除

この様な特例がありますが、すべてに共通する条件が面白いです。3つあります。

  • 俗に、身内(配偶者、直系血族、生計を一にする親族など特別な関係の人)へ売っても特例は適用されません
  • 大型な特例なので利用頻度を制限します。3年に1回です。
  • 居住用の家にも期限があります。住まなくなった日の3年後の12月31日までに譲渡しないと特例は受けれません。

以上のように住んでいる土地・家を売る場合の所得については、生活への影響が大きい分、適合条件も重要です。

学科試験を合格して約5ヵ月が過ぎて、3,000万円特別控除以外の特例については、細かな数字を忘れているのが正直なところです。今回の実技勉強で再確認します。

E-5の例題文の最初に次のような問があります。「戸建住宅を賃貸して受け取る家賃の収入は不動産所得です。事業的な規模ではないので、青色申告書を提出できない。」、正解か不正解は? 答えは不正解で青色申告書を提出できます。覚えるだけでもいいのですが、青色申告について振り返ってみます。

サラリーマンは縁遠い人が多い確定申告には、青色申告と白色申告があります。青色申告は手間を掛けて書類を作成することで節税効果を得られます。白色申告は簡単な資料提出で済みますが特典はありません。ザックリとこんな感じ。青色申告の対象となる所得区分は不動産所得・事業所得・山林所得です。

次にE-7の実技例題です。現在居住している戸建住宅の取得日が、さりげなく記載されています。これは長期間居住していた家を売る場合に軽減税率の特例が適用となるか判断させるためです。ここで間違えやすいのが所有期間が長期となるのは10年超の居住用財産です。 ・・そうです。ひとつ前の雑感で記載した不動産所得では、5年超が長期になるのです。えふぴー爺さんの年老いた脳ミソでは”長期”の年数が混乱します。ちょっと整理します。

  • 土地など不動産の短期譲渡所得 5年以下 税率39.63%
  • 土地など不動産の長期譲渡所得 5年超  税率20.315%

居住用財産の長期譲渡所得の特例では10年超の所有期間で、3,000万円の特別控除を利用した後の所得金額が6,000万円を境に軽減税率の特例があります。少し複雑ですね。

  • 6,000万円以下    税率14.21%  <- 軽減税率の特例
  • 6,000万円超     税率20.315%

税率14.21%の中身は所得税10.21%(復興特別所得税を含む)、住民税4%です。

これで実技の例題を解く場合に、取得費が解らないときは概算取得費(譲渡価額x5%)を使用しなければなりません。すると、

課税譲渡所得金額= 譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)- 3,000万円特別控除

例題の数字を当てはめると課税譲渡所得金額は500万円です。取得日が1979年8月という問いなので10年を超えています。従って、軽減税率の特例を受けて、

税額 = 課税譲渡所得額 × 14.21%

です。

【重要事項】本文はブログ作成当時のファイナンシャルプランニング技能士国家試験に向けた学習記録を綴った内容です。従って、本文中に記載した法令等に基づく記述は現在の内容と異なる可能性があります。法令等に関する内容は、必ず最新情報をご確認ください。宜しくお願いします。