不動産取得時の注意点

不動産取得時の注意点

えふぴー爺さんです。”きんざい”発行のFP2級精選問題解説集の実技問題は「不動産」の章に入りました。FP2級精選問題解説集のE-1、E-2、E-3:「不動産取得における注意点」の例題を解きます。 FP2級学科試験は合格しましたが、不動産は不得手な分野です。今までの生活で不動産に接したのは、親から土地をいただいて、若いころに家を持った時だけです。今後も土地・建物には縁遠いえふぴー爺さんとしては、覚えるべきことを記憶し難い分野のひとつです。例題を通して不得手な部分の覚え方を考えることにします。

例題E-1の問1は、土地のさまざまな公的価格についてです。覚えているつもりでも、回答する時になると不安になります。

  • ①名称(内容)  ②決定機関   ③基準日   ④公表   ⑤対公示価格
  • 公示価格(取引の目安となる標準地価格)②国土交通省 ③毎年1月1日 ④3月下旬
  • 基準値標準価格(公示価格を補完)②都道府県 ③毎年7月1日 ④9月下旬 ⑤100%
  • 相続税路線価(相続・贈与税の基準)②国税局 ③毎年1月1日 ④7月下旬 ⑤80%
  • 固定資産税評価額(都市計画・不動産取得税の基準)②市町村 ③3年毎に前年の1月1日 ④- ⑤70%

と、まぁいろいろあります。それぞれの公的価格の背景を調べてみました。少しでも覚えられるように、次のような文章を作成してみました。

もっとも重要な公示価格は「国土を管理する国土交通省の下で3月末までにまとめられて、他の基準価格の基礎になります」、と決定機関と公表日を覚えます。次に基準値標準価格は「47都道府県単位で公示価格の基準日から6ヵ月後を基準日として、各地方の各基準地価格を決めます。公表日は公示価格の公表日から6ヵ月後です。」、と地方では国から半年遅れで作業をします。次に相続税路線価は「国税である相続税や贈与税の基準となる評価額なので国税局が担当します。公示価格と比較して基準日は同じでも調査地点が10倍以上も増えるので公表日は7月になります。国税の算定基準になる土地評価額なので、公示価格(取引価格)の8割が目安です。」、国税局と公表日が7月、公示価格の8割目安というポイントを入れました。 最後に固定資産税評価額は「地方税である固定資産税や都市計画税、不動産取得税の基準となる評価額なので市町村が担当します。土地売買価格には関係せず、課税評価の目的で相当ザックリとした評価額になる。3年に1度の評価替えが「費用 対 精度」では妥当なところ。従って、公示価格(取引価格)に対しても納税者に対して不利益とならないように7割程度が目安になる。」、地方税なので市町村の仕事になること、3年に1度のザックリ評価額だから公示価格の7割という低めになる。

以上のような覚え方で、少しは要点を記憶できると思います。

E-2、E-3の例題は同種の問題で、建蔽率と容積率を求めるのが主になります。その前に、いくつか学科試験のような〇×問題がありました。例えば、

(取り壊しを検討している賃貸アパートの賃貸借契約に関するという話の前提で、)定期建物賃貸借契約を締結するためには、賃貸人は賃借人に対して、あらかじめ、契約の更新がなく期間満了により賃貸借契約が終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。これは正解か不正解か? 答えは正確です。理由は、説明がない場合は普通借家契約となります。例題文の背景から察すると、賃貸人は正当事由がない限り、契約更新を拒むことができない借家契約となってしまいます。現時点で取り壊しを検討している賃貸人にとっては障害となるからだと思います。 

いきなりですが、この問題は”ひっかけ問題”だと思います。と言う理由は、素直な問題文であれば「定期建物賃貸借契約には、これこれこういう文言を記載した書面を作成し、賃借人へ説明したうえで契約しなければならない」、これは〇か×か、という問いになるのかと思います。しかし、問題分中にある「締結するためには(=締結の前段階なのか?)」、「あらかじめ(=契約書による締結よりも前ということか?)」、「書面を交付(=契約書による締結とは別にの書面なのか?)」などと、言葉の意味を勝手に複雑化させてしまう場合があり、契約書面とは別の書面が必要である、という問うと勘違いしてしまいます。考え過ぎであることは承知していますが、えふぴー爺さんは同様の問題文を最初に回答した時、このように勘違いして間違えた記憶があります。

次の問題は、所有権移転登記や所有権保存登記を行う際に課される登録免許税の税額を算出する税率です。物件によって税率の設定が違います。例えば、

  • 相続による所有権移転登記の登録免許税や、新築した家屋の所有権保存登記の登録免許税は固定資産税評価額の1,000分の4です。(特例あり)
  • 売買による所有権移転登記の登録免許税や、中古住宅の所有権移転登記の登録免許税は固定資産税評価額の1,000分の20です。(特例あり)

上記以外にもいろいろな設定基準がありますが、固定資産税評価額がベースであることを覚えましょう。

最後は建蔽率と容積率についてです。全てを記載すると参考書を丸写ししなければならないので、最重要な点を記載します。それは一体化の場合です。

隣接する異なる土地(や建物)を一体とした土地として、その上に建物をたてる場合、建蔽率と容積率の計算に注意が必要です。例題文では、一体利用して建築物を建築する場合の建蔽率、容積率を求めなさい、という記載になります。

建蔽率について、一体化されることで角地を持つことになる土地は、この角地の恩恵を受けて建蔽率が+10%緩和されます。且つ、一体化されることで防火地域とみなされる場合に、且つ、耐火建築物を建築する予定ならば、さらに+10%緩和されます。結果、

  • 最大建築面積 = 現在(一体化前)の敷地面積 × (指定建蔽率+緩和された建蔽率の合計

になります。仮に甲土地と乙土地を一体化される土地の最大建築面積は、

  • 最大建築面積 ={甲の現在(一体化前)敷地面積 × 甲の(指定建蔽率+緩和された建蔽率の合計)} + {乙の現在(一体化前)敷地面積 × 乙の(指定建蔽率+緩和された建蔽率の合計)}

です。次に容積率についてです。

容積率とは「指定容積率」と「最も幅広い前面道路の幅員を用いた容積率」のどちらか容積率の低い方が適用されます。現在は4m幅の道路にしか面していないが、一体化された場合は6m幅の道路に面するとことになると、「最も幅広い前面道路の幅員を用いた容積率」が変化する場合があります。例えば、現在は

  • 前面道路の幅員を用いた容積率 = 幅員幅 × 住居用途乗数 = 4m × 10分の4

であっても、一体化すると、

  • 前面道路の幅員を用いた容積率 = 幅員幅 × 住居用途乗数 = 6m × 10分の4

となります。次に容積率が決まれば、延べ面積です。仮に甲土地と乙土地を一体化する場合の「容積率の上限になる延べ面積」は、

  • 容積率の上限になる延べ面積 = 甲の敷地面積 × 甲の容積率 +乙の敷地面積 × 乙の容積率

一体化する場合の「最大建築面積」と「容積率の上限になる延べ面積」を求める例題文には注意しましょう。

【重要事項】本文はブログ作成当時のファイナンシャルプランニング技能士国家試験に向けた学習記録を綴った内容です。従って、本文中に記載した法令等に基づく記述は現在の内容と異なる可能性があります。法令等に関する内容は、必ず最新情報をご確認ください。宜しくお願いします。